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サクリファイス
2008/04/16(Wed)
サクリファイスサクリファイス
(2007/08)
近藤 史恵

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”本屋大賞2位!!”のPOPに引かれて買ってみた。
ツール・ド・フランスって自転車ロードレースのことだったのか・・・
聞いたことはあってもどんなものかぜんぜん知らなかった。

勝つだけがすべてじゃないレースもあるんだね。
チームのエースと、それを支えるためにいるアシストたち。
それぞれがそれぞれに誇りをもって自分の仕事をしている。
自分が勝てなくてもいいからエースのために。読んでいてすがすがしい。

ストーリーの半ばくらいからミステリー色も出てきた。
人によってガラリと変わるエースの印象。真実はどれ?
主人公はこれまでの推理小説によく見られるような強いヒーローではない。
けど、チームメイトの話に流されず、自分の見たことから真実を探り当てていく姿が新しいタイプの主人公だなあ、と思った。

ラスト近くでエースから渡される重い重いバトン。
読んでいて思わず涙がこぼれた。

これはおもしろい!
生のレースを見てみたくなった。
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2008/01/18(Fri)
クジラの彼クジラの彼
(2007/02)
有川 浩

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自衛隊ものの作品は数あれど、自衛官の恋愛を描いた短編集はめずらしい。
正直、既刊「空の中」「海の底」の番外編が読みたくて手に取っただけだったのに、おもしろくてぐいぐい引き込まれた。
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ミーナの行進
2007/10/04(Thu)
ミーナの行進 ミーナの行進
小川 洋子 (2006/04/22)
中央公論新社
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小川洋子の「ミーナの行進」を読んだ。
彼女の作品はいつも独創的だなあって思う。
特別な登場人物が出てくるわけでも、ドラマチックな出来事があるわけでもない。
ただどこにでもいそうな人たちの日常が淡々と語られてゆく。
それでいてちょっぴり非現実的でやさしくて、少しせつない。
ストーリーよりもその独特な世界に惹きこまれて、読んだあとにしみじみとその余韻にひたれるような。

物語は中学生の朋子が家の事情で、親戚の清涼飲料水会社の社長をしている伯父さんの家へ預けられるところから始まる。
資産家の家というから、てっきり”華麗なる一族”みたいなすました一家が出てくるのかと思いきや、わりと普通の人たち。

喘息持ちでどこか大人びた小学生のミーナ。その母親で煙草とウイスキーと誤植探しが趣味の伯母さん。片言の日本語を話し化粧品に目がないローザおばあちゃん。家の影の主でありローザおばあちゃんの親友でもある家政婦の米山さん。ハンサムで魅力的で家族を愛しているようなのに家に寄り付かない伯父さん。そして忘れちゃならない家族の一員ことカバのポチ子。

金持ちだからって特別リッチな日々を送ってるわけでもなく、オリンピックが始まればみんなでTVの前にかじりつき、留学中の長男から手紙が来れば集まって朗読し合い、家族や家に何かあったときは言葉もなく寄り添いあう。

1970年代が舞台のお話とはいえ、なかなかいないよ、こんな家族。

ほんわかしたタッチの挿絵と印象的な描写もよかった。
ミーナがポチ子に乗って通学する場面とか、いろんなパッケージのマッチを集めてそれぞれに作る物語とか、敷地内にあった動物園の話とか。
どれもありありと目に浮かぶよう。

それぞれが抱える孤独もせつない。
特に帰ってこない伯父さんに何も言わず、見つけられないまま埋もれてゆく誤植を救い出すことに情熱を見せる伯母さんがかなしすぎる。

彼女が救い出そうとしてるのは自分なのかなあ。


最後は再会に期待をつなぐラスト。
すでに還らぬ人になった人もいるけれど、不思議と悲しい終わり方でなかったのがよかったと思う。


こんな家族の一人になら、私もなってみたい。




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図書館戦争
2007/08/30(Thu)
図書館戦争 図書館戦争
有川 浩 (2006/02)
メディアワークス
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なんだろうコレ。めっちゃおもしろいんですけど。

図書館という、静かでのんびりとした平和の象徴みたいなところに、およそ似つかわしくない「防衛隊」という組み合わせ。

この意外さがキョーレツなインパクト。
加えて緻密な設定。
最初は「ないない。ありえないw」とか思いながら読んでたのが、階級だの図書館法だの理念だのといったもっともらしい説明を加えられていうくうちに、だんだんと「こういう組織もアリかも・・・」となってくるのが不思議。

人物の描き分けもすごくうまいと思う。

気が強くて単純で真っすぐな郁。
厳しくて堅物だけど頼れる上司の堂上。
頭がキレる上にサバサバした美人の柴崎。
口調も物腰も穏やかながら自分にも他人にも厳しい小牧。
それまでエリート意識のカタマリだったのが郁と出会い変わっていく手塚。

どのキャラクターもすごく人間味にあふれてて魅力的。
っていうか、こういう人たちって普通に周りにいそう。親近感がもてる。

こんないきいきとした現実味にあふれた登場人物たちが、図書防衛隊という非現実的な場で繰り広げる日常。(柴崎は防衛隊の人じゃないけど)

コレがおもしろくないわけない!


個人的には郁に共感。
私も何かにつけ感情でつっぱしるとこがあるもんで。あとで反省することしきり。
それと、郁が学生時代に本好きだって言えなかったってくだりには「うんうん分かるよ!」とうなづいちゃった。
なんでかあの頃って「趣味が読書=クライ、マジメぶってる」みたいなイメージがあったんだよね。
私も社会に出るまでは陰でこそっと本読んでたなあ。。


他にも本や映画が未成年犯罪に与える影響とか、「表現の自由」はどこまで許されるのかとか、いろいろ考えさせられる。


そんなこんなであっという間の数時間。

早く続編が届かないかな♪
お願いしますよ某図書館さんv


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ロスト・チャイルド
2007/08/23(Thu)
ロスト・チャイルド ロスト・チャイルド
桂 美人 (2007/07)
角川書店
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いろいろな雑誌で紹介されてて、気になって手に取った本。
横溝正史ミステリ大賞受賞作とのことだけど・・・・正直いって私はビミョーだなあ。。
(ファンの方ごめんなさい。m(_ _)m )



書評を読むと、やたらと「漫画的」っていう表現が出てくる。

クローン技術はまだまだ非現実的なイメージがあるからしょうがないんじゃないの?


なんて思いつつ読み始めたら、そういうことじゃなかったのか。

登場人物みな美形。
登場人物みな知り合い。

序盤から中盤にかけて、国際的産業スパイ話的なスリリングな様相を呈していたストーリーが、終盤になると一気に失速ぎみになって内輪のゴタゴタ話になってしまった。
登場人物間の相関関係も分かりづらい。あちこちに話が飛ぶからかなあ。
悪役がほぼみんな死んで大団円なラストには、どうにもご都合主義的な感じまでしてしまう。

悪役はいい悪役と悪い悪役に分かれるし。
どうせ美形にするんなら、葛藤をかかえつつ自分の信念をつらぬくかっこいい悪役がいてもいいと思うんだけどなあ。

おまけに超能力らしきものまで出てくる。

そこまで登場人物をオールマイティーにしなくても・・・
作品としてはおもしろいだけに残念。


・・・とまあ、批判はこれくらいにして。
今まで知らなかったクローン技術、白血病、骨髄移植について、知らなかったことばかりをいろいろ知ることができておもしろかった。

特にクローン技術。

自分のクローンを作ることについては今も賛否両論だけど、クローンがあるとどんなことができるのかとか、なんでそれが倫理的にいけないのかとか、クローンを必要とする側の考えと反対する側の考えが両方出てきて、両方とも一理あるなあ、って思ったりもした。



作者は女性だそうだけど、お医者さんなのかな?
ここまで難解な科学の世界を、一般読者でも楽しめるようなミステリーにまとめる努力には脱帽。
構想を練るだけでもかなり時間かかってそう。

次回作に期待!
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なんくるない
2007/08/21(Tue)
なんくるない なんくるない
よしもと ばなな (2007/05)
新潮社
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なんとなく手に取った、よしもとばななの小説。
だって沖縄好きなんだもん!(ひらきなおり。)


彼女の本を読んだのは初めて。
存在は学生の頃から知ってたけど、当時の私にはあんまり共感できなくてずっとご縁がなかった。

今ならすんなり入れるかな。
ていうか、作中で語られる沖縄の魅力に激しく同意!


沖縄に行くと空港に降り立ったその瞬間から、時間の感覚が麻痺する。
人ものんびりしているし、音楽はやさしいし、食べ物はおいしいし。
ビーチで海をただ眺めているだけでもすごくリラックスする。
なんにもすることがなーい、っていう感覚が至福。
そのたびに、東京にいるとどれだけ自分がピリピリしているかに気付かされて、肩の力が抜ける。

だから沖縄に行くときは、ダイビング以外はプランなしの行き当たりばったりな旅がほとんど。
けれど、それでも行くたびにいろんな人との出会いがあり。また新しく沖縄のことを知って、絶対また来ようと思う。

もうほんとに沖縄にはパワーをもらいっぱなし。



この本はその沖縄が舞台の短編集。
特に「なんくるない」がよかったなあ。

主人公は離婚したばかり女性。
旦那さんから離婚を切り出され、ひとりになった不安から自分がいけなかったのではと、社会に拒絶されているかのように錯覚してしまっている。

そんな彼女が、あるときふと思い立って沖縄へ旅立つ。
沖縄でゆっくりと過ごして、とある家族と知り合ってそこの息子と恋をする中で、彼女は自分と旦那さんとの関係を振り返る。

どこかでお互いに気を使って無理をしていたこと。
哀しいけれど、価値観がずれていただけ。その違いをどうしても認められなかっただけ。
だから間違ってはいなかったんだ。
力を抜いて、のんびりと、自分らしくいけばいいんだ。




読みながら、あるある。って思った。
その人に喜んでほしいから、ついガマンをしちゃうこと。
たまにならいいけど、それが積み重なっていくとけっこうなストレスになるんだよね。
でもストレスを感じる自分が、すごい悪い人間のように思えてきたりして、それがまたストレスになっちゃったり。


本当はあるがままでいいはずなのに。
常識だからとか、理想の○○はこういうもの、最近の流行はこうだからとか、みんなこうしてるから、とか思っちゃうんだよね。特に東京はそういう概念が多い気がする。

だからストレスも増えるんだよね。。


沖縄にいくと、そういうのが全部とっぱらわれるわ、確かに。
きれいなものを見たり、おいしいものを食べたり、リラックスしたり。
理屈よりも感覚的になれるからかなあ。

こうしなきゃとか、間違いたくないとか、傷つきたくないとか思って強張る心がふっとほどける感じ。


主人公が心の傷を治して新しい恋に入っていけたのもすごくうなずけるなあ。
傷ついてもいいじゃん、これから別れることになったとしてもいいじゃん。
そういう気持ちでつきあっていけば、旦那さんとのような悩みを味わうことはもうないんだろうな。
その気持ちを持続させるのがけっこう難しかったりもするんだけどね。


そういうときは、また沖縄にいけばいいさw


うああ。そんなこと考えてたら沖縄いきたくなってきた・・・
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チョコレット・オーガズム
2007/08/14(Tue)
チョコレット・オーガズム チョコレット・オーガズム
野中 柊 (2007/05)
集英社
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またまた知人の勧めで手に取ったのは、野中柊の「チョコレート・オーガズム」。

知人からいきなり「あなたはマユキ派、ヒカル派?」っていう女同士の議論を持ちかけられて知った本。



ストーリーは、相対的な2人の女性を通して描かれる。



男を生きがいにしていくのはイヤ。経済的に男に依存するのもイヤ。
自分の人生をきちんと自立して生きた上で、男のひととも対等につきあっていきたい。
そのためには、女性が精神的にも経済的にも男性から自立しなくちゃ駄目なのよ。

と言うマユキ。




対等って何?平等って何?経済的自立なんて、どうだっていいことじゃない?
お金なんか持ってるひとが払えばいいだけのことじゃないの?
男が外で働きたいっていうのなら、ばりばり働かせて、その間、女は優雅に爪でも磨いていればいいのよ。

と言うヒカル。




それで冒頭の「マユキ派?ヒカル派?」っていう話に戻るわけだけど。



うーんどっちの言い分にも一理あるなあ。
私はどっちだろ。
マユキがベースにありながらも、ヒカルもほどほどミックスされてる感じかな。。。



たとえば男の人と出かけたとする。その人は恋人でも友達でも同僚でも何でもいい。
一緒に食事をして、会計時に「ごちそうさせてよ」って言われたら。


ううん、ワリカンで!って断る?
わーい、ごちそうさま。ってお礼を言う?


私なら最初は悪いからって断るけど、でも結局「ごちそうさま。」って言っちゃうかな。
ここは男性の顔を立てておこう。とか思っちゃう。




もっと簡単なのだと、職場で文書整理なんかを頼まれたとする。でも書類の山は結構重たい。そんな時、男性社員に「手伝うよ」って言われたら。


男女差別だって断る?それともお願いしちゃう?


私は「お願いします」って言っちゃう。
だってもとから男と女は身体能力が違うんだし? 適材適所でしょ。


この辺がヒカル的。






だけど、女だからどうこう、って言われるのは好きじゃないな、確かに。
女は人の陰口が好きとか、恋愛のことしか頭にないとか、感情的だとか。
なんかこう、女ってだけでひとくくりにされてるようで、いい気分はしない。

私に言わせれば、男の人にだって陰口好きな人いるよ?
寄ると触ると彼女の話する人もいる。神経質な男性だっている。
女だからっていうこう、っていうのは、結局その人の個性を見てないのと同じじゃない?


そういう意味では、マユキ的。



・・・・・って、うおおおう。ここでも熱く語っちゃったよ。

どんだけあちこちで議論ふっかけてるんだろアタシ(笑)




まあ、ともかく。
働く女性的にはいろいろ考えさせられちゃう本なのです。


だけどこれじゃ本の内容にほとんど触れてなくてあんまりなので、お気に入りのフレーズをひとつ。


ヒカルを「女の敵」と言い切るマユキへ、ヒカルが言ったひとこと。



「敵も味方もないのよ。人間なんか所詮自分の都合のいいようにしか生きられないんだし、大義名分を掲げてみたところで、それだって、ご都合主義の産物だもん」




うーん確かに。

勝ち組・負け組。自立した女。大人の女。最近でいうと干物女もかな。


それって結局、後付けされたイメージだよね。
そんなもんに自分をあてはめるのは、バカバカしいし窮屈なだけ。




自分が楽しければそれでよし!
もちろんその結果には責任を負わなきゃいけないけれど。


したいからする。好きだからする。それでいいんじゃない?
人間なんて、けっきょく利己的な生き物なんだから。




正反対の2人の女性が歩む、それぞれの生き方。

ストーリーを通していろいろ考えさせられて、パワーをもらえたお話でした。
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サマータイム
2007/08/14(Tue)
サマータイム (新潮文庫) サマータイム (新潮文庫)
佐藤 多佳子 (2003/08)
新潮社
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知人にすすめられて、佐藤多佳子の「サマータイム」を読んだ。
作品を包みこむ雰囲気は、私の好きな伊坂幸太郎のものにも少し似てるかな。
しっとりと濃密でいて、淡々としていながらも優しくて少しせつない。


ストーリーは団地に住む姉弟と、片腕を失った少年の、3人の登場人物それぞれの視点から進んでいく。

ひと夏の思い出と淡い初恋、別れ。そして数年後の再会へ。

短編それぞれの時間軸がずれてばらばらになっているので、短編どうしのつながりを行間を想像しながら楽しむのもおもしろい。




けれど、私がひきつけられたのは、むしろ鮮やかな描写のほう。




たとえば、「サマータイム」で3人が姉の作ったゼリーを食べる場面。


そのゼリーは失敗作。やたらとしょっぱくて、青やら緑やらをしている。
「あ、海、海だ!」と少年が言う。
3人はそのしょっぱい海のゼリーをせっせと食べる。
それぞれに自分の海を思い浮かべながら。



海を食べる。



なんかステキだなあ。
私も一応ダイバーのはしくれなので、つい一緒に海を思い描いてうっとり。

エメラルドグリーンの珊瑚の海。
太陽の光がやわらかく差しこむ水の中。
白い砂が敷きつめられた海底なんかを。

3人が食べた海のゼリーは、それぞれどんな味がしたんだろう。





たとえば、「ホワイト・ピアノ」の中で語られる童話。

あるところに雪でできたピアノがありました。
鍵盤は氷。白鍵は無色透明で、黒鍵が透明なブルー。
ピアノの上は氷の棺になっていて、悪い魔法をかけられたお姫様が眠っている。
世界で一番熱い心をもって姫を愛する者がそのピアノを演奏するとき、呪いは解ける。
けれど失敗すれば、その若者は凍死してしまう。



白銀の世界にぽつんとたたずむ真っ白なピアノ。
想像するとものすごい印象的。


熱い心がなければ鳴らない、氷のピアノ。それってどんな音なんだろ。


作中に出てくる姉の友人は、「絶対零度の音」と予想する。


私はむしろ澄んだ音なんじゃないかと思った。
冬の朝の、ピンと張った空気みたいに澄んだ鈴のような音。




さあ、伝説のピアノが奏でる音とは?



それは読んでのお楽しみ。
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卵の緒
2007/08/14(Tue)
卵の緒 卵の緒
瀬尾 まいこ (2002/11)
マガジンハウス
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瀬尾まいこのデビュー作、「卵の緒」を読んだ。


私は、瀬尾まいこは「幸福な食卓」から入った人。
だからストーリーの雰囲気にすぐ入り込むことができた。

この人の作品の魅力は、淡々と過ぎていく日常とその中で描かれる家族の絆。

登場人物も、変わってるといえば変わってるかな。
老成した小学生とか、無感動な高校生とか、つきぬけた大人とか。

でも読み進めていくうちに、どんどんその変わった登場人物たちに惹きつけられる。

そして「家族」というものについて考えさせられる。


家族ってなんなんだろう。


私はずっと、無意識に「家族って血のつながりがある関係なんだ」と思ってたかもしれない。

だからこそ切っても切り離せない。

たとえうっとうしく思うことがあっても、離れていたとしても、血縁であることだけは変えようがないから。



でもこの本を読んだらよく分からなくなってきた。

じゃあ、夫婦は?血のつながらない親子は?

家族じゃない??


そういうものでもないだろう。

「親子の絆は、掴みどころがなくてとても確かなもの。」


お互いに共有してきたものがあって。

心の片隅にでもその人がいつもいて。

いつだって強い絆を感じることができるのなら。

その人のいいところも悪いところを見てもなお、「しょうがないなあ・・・」って笑えるあたたかさが胸にあるのなら。



他人だろうとなんだろうと、家族と言えるのかなあ。

・・・って、これじゃ友達や恋人と変わらないか。

けど友達や恋人とはちょっと違う気がする。

だって友達や恋人なら、イヤになったらすぐ離れればいいわけだし。





うーん。なんだろう。



私も、結婚して子供を持つようになれば、分かるようになるのかなあ。
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